現在市場で見られる商品の棹材であるくるちは、通常東南アジア産の材料で、カミゲン、カマゴン、縞黒壇などが一般的です。これらは伝統的な島くるちとは異なる素材で作られています。戦後の急速な経済の成長とともに、森林の伐採が進み、良質な芯材のゆし木や島くるちが希少となりました。特に、年輪や杢目が美しく魅力的な黒ゆし木は、入手が難しくなっています。

そこで、沖縄北部で原木を探し出すプロジェクトを立ち上げ、戦前戦後の貴重な原木を探索しています。この取り組みにより、地域内で情報が共有され、赤瓦の古民家に隠れていた黒ゆし木や馬小屋で見つかった島くるちなどの材料を提供していただける機会が増えました。地元の温かい協力を有効に活用し、与那城型や真壁型の三線を製造して販売しています。